こんにちは、中野刃物の代表 中野由唱です。比布町での包丁研ぎ実演会も18回目になります。
久しぶりのピピカフェ開催。
母の日の開催。
なので。。。
私はいつもより気合いが入ってます。
比布のみなさん、周辺地域のみなさん、これからも包丁研ぎを続けて行きます。
どうぞよろしくお願いします。
日付 令和元年 5月12日 日曜日
場所 ピピカフェ比布駅
時間 午前10時開始
午後4時終了
研ぎ代 1本 1,000円より
包丁の傷み加減で変わります。
所要時間は30分です。
旭川市東鷹栖4線10号1-13
中野特殊刃物工業株式会社
0166-57-1141
こんにちは。
中野特殊刃物工業の代表で 研師 中野由唱です。
今日は私が刃物を研ぐ理由をお話しします。
戦国時代、刀研師は合戦に随行した。そして刀研師は、敵方から真っ先に命を狙われた。
刀で斬り合う戦さでは、太刀(たち)一振りで敵の息の根を断たなければ自分が切られる。
ですから、、、
刀の切れの良し悪しは、命に関わる重要不可欠な要素だった。
その刀の技は現代の和食文化における包丁に受け継がれています。
切れ味の良い包丁で切るりんごは、1時間ほどは色が赤くなりません。塩水に浸さなくても美味しく頂けます。
切った時に、細胞が壊されないから酸化し難いのです。
包丁が切れると美味しくなる理由
-
- 渋味が出にくい
- 加熱した時アクが出ない
- 煮崩れしない
- 食材に損傷が無いから劣化が遅い
- 肉の切断面の凸凹が少ない
- 肉を焼いた時余計な焦げが付かない
- 脂が流れ出ず硬くなりにくい
- 調味料の量が少なくなる
- 栄養価を損なわない
つまり、、、
食材本来の味が味わえる。 食材の美味しさの寿命を延ばし、無駄を減らすことにも繋がる。
食べることは生きること!
日本には四季を彩る和食文化がある。
そこには、、、
和食文化を支える包丁と研ぎの文化がある。
文化とは日常のこと。
和食文化を繋げていくために、私はこれからも刃物と向き合って生きます。
by 中野 由唱 よしどん
昭和53年4月1日、私は大学卒業と同時に中野特殊刃物に入社した。
最初は研磨工見習いから、数年の工場作業の後 営業見習いとして いきなり100軒ほどのお客様を任された。
正直、何をどうしたらいいのか全く分からなかった。
主な仕事は使って切れなくなった刃物の回収と再研磨した刃物の配達、そして新しい刃物の売込み。研磨工の時もそうだったが、刃物の基礎知識も扱う種類もどうやって売り込むかも、自分で覚えるしかなかった。
中野特殊刃物にとって社員教育は皆無なのだ!
入社から11年目の1月初め、昭和天皇が崩御され年号が昭和から平成に変わった。
自粛ムードの中での会社新年会。社長挨拶の席で「俺の時代は昭和と共に終わった、後は息子に預ける」と何の相談も、何の打合せも無いまま15名の社員の前で先代社長である私の父がいきなり言い出した。
昭和元年生まれで昭和と共に生きて来た父だからそうしたかったのかも知れない。当時63歳の社長引退は早すぎると思ったものだ。
当時の父と同じ63歳という歳は私にとって、平成の30年を改めて振り返るきっかけになった。
そんなことを思う日曜の夜です。
さあ、これから工場にこもって明日の段取りしよう!
by 中野 由唱 よしどん
よしどん節へようこそ
中野特殊刃物工業の代表、中野由唱(なかのよしあき)です。
新しい年になりましたが、1月は包丁研ぎが忙しいんです。何故かというと、、、
年末はおせち作りに、普段以上に包丁が活躍するのです。その12月を前にメンテナンス(包丁研ぎ)の出来た人は良いのですが、「忙しくて出来なかった」という人は大変だったでしょう。
なますに蓮根、きんぴらなどなど
包丁が切れないと、そりゃもう汗と涙 おまけに肩と腰が痛くなる。そんなおせち作りだったと思います。
そんな思いをした人たちが包丁を研ぎたくなるということ。
今からでも遅くありません、思い立ったが吉日。さあ大変、はい大丈夫といきたいですね!
【包丁研ぎ実演会】開催
1月13日 日曜日
午前10時から夕方4時まで
会場は比布町の浄慶寺さん(玄関横の事務室です)
by 中野由唱 よしどん
めっきり寒くなりました。
旭川にも初雪が降りそうな気配です。
人類が今まで生き残って来れたのは、刃物があったから
紙の裁断、木を切る、壁の穴あけ、玉ねぎやトウモロコシの収穫、肉のミンチ、ペットボトル再生の為の粉砕、包丁やナイフ・ハサミなどなど、、、様々な場面で今や私たちの生活に欠かせない存在の刃物。
でもちょっと考えてみてください。
切れない刃物を無理して我慢して使っているってことありませんか?
日本の刃物の原点は日本刀です。
戦国時代、刀が切れないのは命とり。
一振りで相手を仕留めなければ自分が切られる、だから刀は常に切れる状態にしておく必要があった。
合戦に同行した研師が命を狙われたのは、そんな理由からです。
日本には世界から見ても類の無い、刃物と研ぎの文化があるのです。
刃物は使えば切れなくなるもの、研ぎなが使うのが刃物です。
刃物は切れるから刃物で、切れないのは刃物ではありません。
単純ですが、そのことを思い出してほしい。
「刀とは抜かずに使うものなり。刀とは抜くと力となる、しかし抜かぬこと。抜かずに収めることが刀本来の役割である。」
本阿弥流日本刀研師の師匠から「由唱」の名を授かった時、日本の研ぎの文化の由来を唱えることが私の天命と悟りました。
切れ味の良い刃物は人間の生活を豊かにするもの。
研ぎながら使い続ける日本の文化を大切にします、そしてそのことを伝えて行きます。
by 中野 由唱 よしどん
ひと月ぶりのブログです。読んでくれてありがとうございます。
9月6日はミラサポ講師として、派遣先を訪問することになっていました。
その日は何故か、午前3時に目が覚めていました。そして3時8分、北海道で震度7の地震が。それから20分後、今度は大停電が北海道全域を襲いました。
道路の信号機もすべて消え、いつ復旧するのか分からない不安だけが残りました。
止むを得ず、6日の訪問は延期することにしたのですが先方と電話もメールも使えず 連絡がつきません。ダメもとで延期する旨のメールを送信しました。
午後になって、私の携帯に先方からの電話が入り ようやく連絡が取れました。
協議の結果、翌日の訪問となりました。
今回の派遣先はオリンピックで有名になった冬のスポーツ カーリングの街 北海道北見市です。
北見市と言えば、北海道の市町村の中で一番広い面積で玉ねぎの生産量は日本一なんです。
その北見市で農業収穫機を独自に製作し、利用者から直接感想を聞きとりながら改良を加えている、そんな探求心旺盛な企業です。既に発売した機械で「もっと長持ちする刃にしてほしい」と声が上がり自社で考案中の刃物の形状について 刃物専門家 のアドバイスが欲しい、またオリジナル刃物の開発・導入についての支援も受けたい、という相談内容でした。
機械製作の現場で付属の刃物について、独自に開発を進めることはあまりないことです。
具体的に言うと
- 機械のもつ能力(機械性能)
- 使用目的(個人差があります)
- 使用条件(最良から最悪まで)
- 試行したデータ(要詳細)
- 現状結果
- どうしたいか(改善要件)
以上のことを一元化して改善することは容易ではありません。
もし刃物メーカーがこの開発に着手すれば、一年がかりで1000万円の仕事になります。
データを収集しながら2、3パターンの刃物を4、5回は造り直すことになるでしょう。
しかも全て単品製作です。
私の場合「そのお客様に一番合った機械刃物は何か」を考え続けた40年の経験を重ね合わせて、開発に係る時間と費用を最大限に抑えて、最初の試作で90%の完成度と90%の費用削減を目指します。
F1レースでタイヤ交換のタイミングと選別を誤ると、たとえ世界一速いエンジンを搭載していてもチェッカーフラッグは受けられません。
前にも述べたように、
機械性能、使用の目的と条件、現状の把握と変動する環境、を全て加味して設計します。
この作業は難しいというより、手間が掛かるのでやりたい人はいないと思います。
しかし、この手間が完成度を時には100%にもてくれるんです。
手間ひまを掛けることが敬遠される時代ですが、この手間を惜しまずにこれからも仕事を楽しんで行きたいと思うのです。
専用刃物は現在設計途中です。
最後まで読んでくれてありがとう。
by中野由唱 よしどん
こんにちわ、中野由唱です。
いきなりルーターマシンという木工製作に関わる方にしか分からない機械の名前からの書き出しを許して下さい。ルーターマシンとは切削用機械の名前です。切削性能が高く、汎用性も高い。使用者の捉え方で加工の可能性が拡がる機械です。
木材を加工する時にどの機械にどんな加工をして貰おうかな?
昇降盤でY加工をして次にルーターマシンでF加工をする。
そうすると木肌がツルンと綺麗になるだろうか? どうかな?
実は、木材の加工にたった一つの正解というのはないんですね。あえて言うならば、正解は何通りもあるんです。製作者の発想やアイディア次第で同じ機械でも使い方が幾通りもあるんです。当然、それにまつわる先端工具(刃物)も同様なんです。
私はこんな画一的でない仕事が好きで、ミラサポ専門家派遣の仕事もしています。
さて、そのミラサポで先日 北海道の山あいの小さな町を訪ねました。
以前一度だけ車で通ったことがありますが、夜だったので町の様子は分かりませんでした。
今回は午前11時から午後4時までがコンサルティングの時間です。昼間の町はのんびりとしていて時間がゆっくりと流れているようでした。
相談内容は、木工クラフトの製造過程で使用している機械刃物についてです。
「現在機械メーカーの純正品で作業をしているが思うように加工出来ない。今よりもっといい刃物はないか」という内容でした。
更にその作業の迅速かつ安全性を求める、難易度の高い相談です。
最初に使用する材料の種類とその特徴について尋ねます。
- 木のどの部位を使うか
- 加工の方向がタテかヨコか
- 硬いか柔らかいか
- 乾燥の度合い
- 加工の条件
以上の具体的な状況から私は答えを出します。
☆作業の速さを求めるならA
☆作業の安全性を求めるならB
では,AとBのどちらを優先させるのか?
それを相談者に選んで貰う。
それだけならば、2時間で終わる内容です。
私は次に相談者へこんな質問を投げかけました。
- 売れるものを作りたいのか
- 自分の好きなものを作りたいのか
- クラフトのもの作りが好きなのか
- 売れることに喜びを感じるのか
- 利益を追求したいのか
相談者の知りたいことに応えるだけがコンサルティングじゃない。
その人の夢や希望、日々感じていることを出来るだけ具体的に捉えて 選択肢の幅を広げることが重要だと思うのです。
のんびりと昼休みを過ごしていると、午前中に見せて貰った工場の機械設備とそこで作られた商品が次々に浮かんで来ます。
【現状の機械設備×現状の刃物+使える刃物】
この「使える刃物」を私が追加して掛け合わせることで仕事の質を上げ、その可能性を引き出す。
私はそんなコンサルティングを心掛けています。
今回の相談者は家具づくりにも携わった経験のある方だったので、それぞれの機械の能力と使用可能な刃物の有無についも話が出来たことは有意義でした。
木のぬくもりを感じて貰える商品を作りたい
自分の作った商品を手に取り、気に入って使って貰えるのが嬉しい
こんな風に答えてくれた相談者の笑顔が印象的でした。
やる気に満ちた表情の私 (^^)v
by中野由唱 よしどん
2018年 6月3日
北海道は新緑が芽吹き、清々しい空気に包まれています。
あなたは如何お過ごしですか?
ところで 【ミラサポ】と言う言葉を聞いたことがありますか?
ミラサポは、中小企業・小規模事業者の皆さんの未来をサポートする国の事業なんです。
ミラサポのサイトを利用して国や公的機関が行っている事業者支援の情報を得たり、経営の悩みを相談したり、専門家の支援を受けたりできます。
私は国家資格などはないのですが、これまでの刃物設計とその成果が認められてミラサポ専門家として登録されました。これまでの仕事を役立てる機会に恵まれてとても嬉しいです。
これはツバメノートさん製作の大学ノートです。専門家活動の相棒なんですよ(^^♪
私が専門家講師としてできることを書いてみました
- 食品加工、木材、金属、紙パルプ、農業収穫など 刃物は様々な場面で使われ役だったいる。
しかし、その切れ味については ほとんどの人が無理して 我慢して使っているのが実情だ。
「まっ、こんなもんだろう」と思っている。
もし、使用中の刃物に〝本来の切れ味〟を復活させることが出来たら、これまでとは全く違う世界が広がることだろう♠
○切り口がきれいになる
○切断や切削作業が楽しくなる
○あと工程が楽になる
○歩留まりが良くなり、材料の無駄が省ける
○製品が美しくなる
○食品ならば美味しくなる
○作業者のストレス解消にひと役
○刃物寿命が長くなる
○生産現場の人たちに、原価意識が生まれる
刃物はモノづくりの裏方
そして私は刃物を支える「刃物の専門家」。 つまり 裏方の裏方なのです。
私、中野由唱は40年の経験を「刃物の専門家」として活かすために【ミラサポ専門家講師】として登録しました。
今、使用中の刃物の点検を是非一度お勧めします。
きっと、あなたのモノづくりの世界が更に広がりますよ。
刃物は人類が創り出した最高の道具、人々の生活を豊かにする為に生まれたのです♠
by中野由唱 よしどん
2018年1月27日 土曜日
昨日、東京都狛江市にある狛江エコルマホールでエクスマセミナーが開催されてました。私は狛江を訪ねれなかったのでツイートを見ながら藤村正宏氏が表現したいことを考えた夜でした。
ところで、今日は2018年1月最初の包丁研ぎ実演の日です。
友だちやお客さまとの繋がりを大事にしたいから、飴の掴み取りをやってます。
新しい包丁を買って戴くというよりも、みんなに気軽に立ち寄って欲しくて、みんなの元気な顔を見たくて、そしてあなたに会いたくて。
今年一年の運試し、遊びに来て下さい。ちょっとだけ楽しい気持ちになってくれたら嬉しいなぁーーー(^.^)/~~~
こんなイベントがあってもいいよね(笑)
by中野由唱 よしどん
2018年1月8日 成人の日
62年の人生で最大のピンチ【命の危険】を感じた火災発生。2017年12月26日 午前3時に自宅マンション2Fより出火、6Fの自宅脱出。これを何とか無事に越えられた。
今、命が私を生きている。
まずはそのことに感謝します。
時は遡り、1975年1月15日 成人の日。当時、大学生だった私(19才)は この日引っ越しをしていた。
千葉県松戸市の下宿から市川市の木造アパートへ!
下宿のおばちゃんが体調を崩し「もう、あんたの面倒みれなくなったよ」とのお言葉が突然に降りてきた。それから大急ぎでアパート探し、、、、(汗)
【駅から徒歩10分】これを条件に不動産屋さんをハシゴした。
「3月には空きが出る」という物件ばかりで中々埒があかない。それでも、何とか1軒探して その日のうちに契約した。
今までの下宿代が月20,000円 風呂あり洗濯付だったのに対して、アパートの家賃は月18,000円 風呂なしトイレ付。親からの仕送り額だけでは生活が苦しくて本八幡(モトヤワタ)駅前の喫茶店でアルバイトをすることにした。当時は時給370円だった。
引越しは至って簡単だった。鎌ヶ谷から軽トラックで応援に来てくれた友だちがあまりの荷物の少なさにびっくりしていた。
食事付・洗濯付の下宿で、おばちゃんが遠縁だったこともあり洗面道具と着替えくらい。布団も無い状況だった。
JR常磐線の北松戸駅とJR総武線の本八幡(モトヤワタ)駅周辺のみんなは元気でいるかなーーーー!
成人式に出られなかったことで43年前の1月15日のことを鮮明に覚えているのだと思う。もちろん、いい思い出としてです(笑)
記憶に薄いが大学で学んだことや喫茶店のバイトで覚えたコーヒーの淹れ方や出し方、プリンアラモードの作り方。そして、周りの人たちにお世話になったこと等々、自分の経験して来たこと全てが今の自分に繋がっているのだ、と 近頃 強く思う。
還暦を迎えた時、私は日本刀研師の師匠を見習って「85才まで現役でやる」と宣言した。そこには、少しでも師匠に近づきたいという気持ちがあるからだ。これからも刃物に関わって行きたい。五感を鍛えるような無駄なことをもっと体験したい。
これらの縁を大切に生きたい。
今日を楽しむために
by中野由唱 よしどん