常識は変化する

  • 2022年08月08日

常識を進化させるために

こんにちわ

北海道旭川市で昭和32年(1957)創業の刃物専門 中野特殊刃物工業(株)  の 中野由唱です。

刃物を研ぎ続けて44年、今は料理包丁の販売と研ぎ直しにも力を入れています。

年間1,300本程の包丁を研いでいますが、その中で変形が酷く修復不能な包丁も多々出会います。

それは「見よう見まね」という自分の研ぎ易い我流で刃物を研いだ結果です。

「自分で研いで、研ぐ前より切れなくなっちゃったー」とか

「人に頼んで研いで貰ったら、機械を使って研がれてしまったー」とか

「包丁ってー誰が研いでも一緒でしょ」とか

まぁ、よく聞く話です。

でも

研ぐ人と研ぐ方法で包丁は全く違うものに生まれ変わります。

包丁は日本刀とは違います。

出っぱった所は削れますが凹んだ所を盛ることは出来ません。

修復するにも元の形がなくなってしまっては手の打ちようもありません。

そうなる前に相談して欲しいところです。

 

例えば、

あなたは床屋 や美容室を選ぶ時、腕が確か否かなど自分好みの技能者を選ぶでしょう。

理容師や美容師は個人技能ですからね。

まぁ、当然です。

包丁研ぎも じつは 個人技能なんです。

上手い下手 安心できるかできないか という選択基準があっても良いはず。

私は日本料理の基本は切れ味の良い包丁だと考えています。

和食の料理人の料理は

新鮮食材と調理の腕前と切れる包丁の三位一体だと信じています。

そのどれ一つ欠けても「四季と風土」「旬と彩り」を鮮やかに表現する あの美しい日本料理は生まれません。

日本刀から繋がる 研ぎながら使う包丁の日本文化を残したい。

料理をする全ての人に包丁本来の切れ味を知って貰い、料理をもっと楽しんでほしいんです。  

玉ねぎで涙が出るのは切れない包丁のせい。

にんじんの千切りででまな板が真っ赤になるのは切れない包丁のせい。

皮を剥いたリンゴは塩水に漬けないで、そのまま美味しく頂きましょう。

何故ならば、切れるペティナイフなら皮剥きしたリンゴだって1時間は赤くなりません。

切れない包丁が当たり前になって、いつの間にか長い時間がたってしまいました。

長い時間が常識さえも変えていたのです。

みなさん、包丁の切れ味を私と一緒に もっともっと追求していきましょう。

 

by 中野由唱 よしどん