自分を知るために その2

  • 2022年05月31日

エピソード

「新しいパターンの刃物を作ってほしい」と、お客さんからの依頼あり。         

パターンとは形状のこと。その形状を必死に説明してくれました。

でも、問題は○刃物の大きさ(直径) ◯刃物の刃数(ピッチ)◯刃物の角度(リード)大きく分けてこの3点。形状だけなら図面があれば確認できます。

更にお客さんは「これまで特に問題も無かったし、形状(パターン)だけを変えてくれればいいです」と。

話を簡単に終わらせようと思っていたようでした。

でも 使う機械の能力、使う木材の特徴、仕事の精度を考慮した上で(直径)(ピッチ)(リード)を設計(デザイン)することで、、、

使用する機械の負担を抑え作業の安全性を高め、切削面の仕上がりを美しくする。

結果 ペーパー掛けなど、一番手間のかかる仕上げの工程を省くことができるのです。

図面上のパターンを刃物に置き換えるだけなら、作業の安全性も仕上がりの美しさも得られなかったでしょう。

その後、そのお客さんからは刃物というより仕事(作業)の相談を受けるようになりました。 

 

これまで使ってきた刃物のデザインが当たり前なのではありません。

問題が無いから変えない、というより問題が見えていなかったのです。

ときには外部の意見、とりわけ専門家の見解を求めることは重要なのです。

 

結論

当たり前が当たり前でなくなる時

 見えていなかった問題に気がついた時

あなたの仕事はそこから進化し始めることでしょう。

by 中野由唱 よしどん