文化は日常。和食文化を繋げるために刃物と向き合う

  • 2019年04月22日

こんにちは。

中野特殊刃物工業の代表で 研師 中野由唱です。

今日は私が刃物を研ぐ理由をお話しします。

戦国時代、刀研師は合戦に随行した。そして刀研師は、敵方から真っ先に命を狙われた。

刀で斬り合う戦さでは、太刀(たち)一振りで敵の息の根を断たなければ自分が切られる。

ですから、、、

刀の切れの良し悪しは、命に関わる重要不可欠な要素だった。

その刀の技は現代の和食文化における包丁に受け継がれています。

切れ味の良い包丁で切るりんごは、1時間ほどは色が赤くなりません。塩水に浸さなくても美味しく頂けます。

切った時に、細胞が壊されないから酸化し難いのです。

包丁が切れると美味しくなる理由

    • 渋味が出にくい
    • 加熱した時アクが出ない
    • 煮崩れしない
    • 食材に損傷が無いから劣化が遅い
    • 肉の切断面の凸凹が少ない
    • 肉を焼いた時余計な焦げが付かない
    • 脂が流れ出ず硬くなりにくい
    • 調味料の量が少なくなる
    • 栄養価を損なわない

つまり、、、

食材本来の味が味わえる。 食材の美味しさの寿命を延ばし、無駄を減らすことにも繋がる。

 

食べることは生きること!

日本には四季を彩る和食文化がある。

そこには、、、

和食文化を支える包丁と研ぎの文化がある。

 

文化とは日常のこと。

和食文化を繋げていくために、私はこれからも刃物と向き合って生きます。

by 中野 由唱 よしどん