こんにちは、中野刃物の代表 中野由唱です。比布町での包丁研ぎ実演会も18回目になります。
久しぶりのピピカフェ開催。
母の日の開催。
なので。。。
私はいつもより気合いが入ってます。
比布のみなさん、周辺地域のみなさん、これからも包丁研ぎを続けて行きます。
どうぞよろしくお願いします。
日付 令和元年 5月12日 日曜日
場所 ピピカフェ比布駅
時間 午前10時開始
午後4時終了
研ぎ代 1本 1,000円より
包丁の傷み加減で変わります。
所要時間は30分です。
旭川市東鷹栖4線10号1-13
中野特殊刃物工業株式会社
0166-57-1141
こんにちは、
中野特殊刃物工業 代表で研師の中野由唱です。
今日は「仕上げ刃物」について、あまり知られていないことをお話しします。これは木工機械の「仕上げ鉋刃」です。昔から大工さんが使っている手鉋(てがんな)を思い出してみて下さい。
長い角材の上を、滑らすように両手で引っ張って使っていたあれです。機械刃物で言えば、これがあれです。
滑らすように というところがポイント。
現在使われている機械刃物は、その殆どが刃物自身が回転して材料を切ったり 掘ったり 削ったり して使います。
しかし
仕上げ鉋刃だけは刃物を動かさずに固定し、材料を滑るように動かして表面を削って仕上げて行きます。
仕上がった材料の表面はツルッツル。
そして、このツルツル感は回転刃物では出せないものなのです。
技術が進み刃物の素材もより硬いものが求められ、超硬や超合金などが主流になる時代。
超硬や超合金の刃物では、刃物を動かさずに材料を滑らせて削ることは出来ません。より硬くした為に、素材にいわゆる粘りや柔軟性が無くなったことが原因です。
金属を硬くしていくと、対摩耗には強くなります。しかしその反面 衝撃に弱く、欠けやすく熱にももろくなってしまうのです。
文明は必ずしも進化している訳ではない
大工さんが使っていた、あの手鉋ほど表面をツルッツルに仕上げられる刃物は今の時代でも他にないのです。
そして、その手仕事の仕上がりの美しさは刃研ぎにも通じています。
機械で研いだ鋼(ハガネ)刃物を更に手研ぎで仕上げる。
すると、、、
切れ味が滑らかで材料がツルツルに欠けにくくなる。
切れ持ちが長くなり刃物の寿命が延びる。
機械研ぎと手研ぎの融合は、40年で辿り着いた「中野特殊刃物工業のオリジナル」なのです。
by 中野 由唱 よしどん
こんにちは。
中野特殊刃物工業の代表で 研師 中野由唱です。
今日は私が刃物を研ぐ理由をお話しします。
戦国時代、刀研師は合戦に随行した。そして刀研師は、敵方から真っ先に命を狙われた。
刀で斬り合う戦さでは、太刀(たち)一振りで敵の息の根を断たなければ自分が切られる。
ですから、、、
刀の切れの良し悪しは、命に関わる重要不可欠な要素だった。
その刀の技は現代の和食文化における包丁に受け継がれています。
切れ味の良い包丁で切るりんごは、1時間ほどは色が赤くなりません。塩水に浸さなくても美味しく頂けます。
切った時に、細胞が壊されないから酸化し難いのです。
包丁が切れると美味しくなる理由
-
- 渋味が出にくい
- 加熱した時アクが出ない
- 煮崩れしない
- 食材に損傷が無いから劣化が遅い
- 肉の切断面の凸凹が少ない
- 肉を焼いた時余計な焦げが付かない
- 脂が流れ出ず硬くなりにくい
- 調味料の量が少なくなる
- 栄養価を損なわない
つまり、、、
食材本来の味が味わえる。 食材の美味しさの寿命を延ばし、無駄を減らすことにも繋がる。
食べることは生きること!
日本には四季を彩る和食文化がある。
そこには、、、
和食文化を支える包丁と研ぎの文化がある。
文化とは日常のこと。
和食文化を繋げていくために、私はこれからも刃物と向き合って生きます。
by 中野 由唱 よしどん
昭和53年4月1日、私は大学卒業と同時に中野特殊刃物に入社した。
最初は研磨工見習いから、数年の工場作業の後 営業見習いとして いきなり100軒ほどのお客様を任された。
正直、何をどうしたらいいのか全く分からなかった。
主な仕事は使って切れなくなった刃物の回収と再研磨した刃物の配達、そして新しい刃物の売込み。研磨工の時もそうだったが、刃物の基礎知識も扱う種類もどうやって売り込むかも、自分で覚えるしかなかった。
中野特殊刃物にとって社員教育は皆無なのだ!
入社から11年目の1月初め、昭和天皇が崩御され年号が昭和から平成に変わった。
自粛ムードの中での会社新年会。社長挨拶の席で「俺の時代は昭和と共に終わった、後は息子に預ける」と何の相談も、何の打合せも無いまま15名の社員の前で先代社長である私の父がいきなり言い出した。
昭和元年生まれで昭和と共に生きて来た父だからそうしたかったのかも知れない。当時63歳の社長引退は早すぎると思ったものだ。
当時の父と同じ63歳という歳は私にとって、平成の30年を改めて振り返るきっかけになった。
そんなことを思う日曜の夜です。
さあ、これから工場にこもって明日の段取りしよう!
by 中野 由唱 よしどん
こんにちは、創業62年になる中野特殊刃物工業の代表で研師 中野由唱 です。
比布町のエクスマ化プロジェクトを知り、子どもの頃から馴染みの比布町を応援したい。そう思って、2017年7月から「ピピカフェ比布駅」と「浄慶寺さん」で包丁研ぎ実演会を開催しています。
家庭のご飯支度が楽しく、美味しくなるよう切れ味のいい包丁で料理してほしい!
家族みんな笑顔になってほしい!
そんな願いを込めて、みなさんの包丁を研がせて貰っています。
町外の方でも、門徒でない方でも構いません。
比布町から、家族の笑顔の輪を広げて行こうと思います。みなさんどうぞよろしくお願いします。
とき
3月13日水曜日 10時〜16時
会場
比布町寿町1丁目5-9 浄慶寺事務室
by 中野由唱 よしどん
よしどん節へようこそ
中野特殊刃物工業 代表の中野由唱です。
何度も書いていますが、2017年7月9日ミラサポに刃物の専門家として講師登録してから少しづつ機械刃物の相談や診断依頼が増えて来ました。相談の内容は様々です。
金物店でチップソー(丸のこ刃)の品揃えについて
木工クラフト工場で機械刃物の使い方と選び方について
農業機械の販売修理業で収穫機の専用刃物について
建築資材販売店でチップソーの在庫管理について
飲食店で包丁の切れ味が料理の味と仕事のレベルを左右する。
刃物は日常のあらゆる場面で活躍しているはず!
しかし、殆どの作業現場で活かされていないのが現実。
切れる刃物を使うだけで、現状を100%変えることができるのです。
ミラサポの専門家講師は何らかの資格を持った方が多いのですが、私は何もありません。だから、私からアドバイスできることは40年で得た生産現場の経験からだけ。
そのせいなのか、依頼主の方々はみなさん私の話を大きくうなずきながらよく聴いてくれます。
最初はそれでいい、と思ってました。でもその後 訪問したり電話で話したりしてみるとミラサポの成果が上がっていないことに気づくのです。
結局、診断やアドバイスを受けても依頼主自身が「変わろうとする心」で行動しなければ−何も変わらない–と言うこと
これからはミラサポの刃物専門家として、先ず変わろうとする心を持って貰えるよう意識して行こう。うん、そうしよう!
by 中野 由唱 よしどん
よしどん節へようこそ
中野特殊刃物工業の代表 中野由唱です。
私はこれまでに15,000本を超える包丁を研いで来ました。プロ意識も、40年間刃物に関わって来たという自分なりの自負もあります。
しかし、つい最近「研いでもらった刃が切れない」とお客様に言われて驚きました!
過去に一度も無かったことだから、
いや正確に言うとクレームは3回ありました。
しかし、それは3回いずれも研ぎ方の問題ではなく、使う側の問題でした。カボチャを無理矢理叩いて切ったり、冷凍食品を力任せに切ったり、やってはいけない使い方をしていたのがその原因でした。
だから今回もきっとそうだなと思っていたのに、均(なら)して刃を付けたはずが、、、付いてない。
愕然としました。
完全に私が見逃していました、慢心でした。
過去に一度も無かったことが将来も起こらない保証はないのです。
みなさんは職人ってどう思いますか?
○頑固でとっつきづらい
○無口で冗談が通じない
○他のことはどうでもいいのに、仕事となると口うるさくなる などなど
そんなイメージありますか?
だとすれば
クレームが無かったのではなく、クレームを言い出せなかったのではないか。そう思うのです。
昔から私は男のおしゃべりが嫌いです。同級生でもペラペラ喋る奴はあまり信用してなかったなぁ。
でも仕事のうえで必要な「言葉」は交わすべきだし、仕事とは関係ないことも話して、ドンドン「言葉」のやりとりをするべきなんだと思います。
【おしゃべりではなく、コミュニケーション】
63歳は研ぎ職人としてのピークは過ぎています、120%でようやく現状維持。
既に85歳まで現役を宣言した私は五感を研ぎ澄ませながら、おしゃべりではないコミュニケーションを大切にして行こう。
改めて思った2019年1月でした。
by 中野 由唱 よしどん
よしどん節へようこそ
中野特殊刃物工業の代表、中野由唱(なかのよしあき)です。
新しい年になりましたが、1月は包丁研ぎが忙しいんです。何故かというと、、、
年末はおせち作りに、普段以上に包丁が活躍するのです。その12月を前にメンテナンス(包丁研ぎ)の出来た人は良いのですが、「忙しくて出来なかった」という人は大変だったでしょう。
なますに蓮根、きんぴらなどなど
包丁が切れないと、そりゃもう汗と涙 おまけに肩と腰が痛くなる。そんなおせち作りだったと思います。
そんな思いをした人たちが包丁を研ぎたくなるということ。
今からでも遅くありません、思い立ったが吉日。さあ大変、はい大丈夫といきたいですね!
【包丁研ぎ実演会】開催
1月13日 日曜日
午前10時から夕方4時まで
会場は比布町の浄慶寺さん(玄関横の事務室です)
by 中野由唱 よしどん
よしどん節へようこそ☆
中野特殊刃物工業の代表の中野由唱です。
私が生まれたのは新潟県新発田市、父の実家だ。以前は新発田市の隣町で北蒲原郡紫雲寺町と呼んでいた。
2歳の時、両親と姉ふたりの一家5人で旭川にやって来た。同じく実家が山形県西置賜郡小国町の母と親戚(親、兄弟)の反対を押し切って、夜逃げ同然で北海道に上陸したようです。なので小さい頃から学校で「北海道弁」を聞いても意味不明(ゴミを投げる、あずましい、それ違うべや etc)が多かった。
うちの中では引っ込み思案で内弁慶、来客があると物陰に隠れてしまう という有り様。勉強より外で遊ぶのが何より好きで、毎日友だちと暗くなるまで遊んでいた。
引っ込み思案だけど、遊び仲間は多かった。好きな娘ができると迷わず告白した、でも返事はいつも同じ、、、「いつまでも いいお友だちでいましょうね」だって!
10人中10人に言われた。
双子で早産だったから未熟児、おそらく2000gとちょっと。そんな小柄でひ弱な少年時代も10才から始めた野球で身体も少しは大きくなれた、16才まで続けたおかげで精神力と体力も身に付いた。
冬になると野球の代わりにスキーをした。旭川市内にスキー場はあったが、父親にせがむと何故か当時「ほくれい」と呼ばれていた ぴっぷスキー場に連れて行かれた。
時にはぴっぷスキー場から更に北にある塩狩峠スキー場にも行った。スキーをやらない父は黙って待っているのが辛かったのだろう、そこには温泉もあったしね!
今のぴっぷスキー場は子供の頃の印象とは少し違う気がするけど、今から50年以上前のことだから(笑)
そんな比布町とこんなに仲良しになれるなんて思っていなかった、そしてこの1年は毎月開催される町民限定のエクスマセミナーに参加できるチャンスを頂いて、村中町長はじめ役場職員の方々と友だちになってくれた町のみなさん、藤村先生他スタッフのみなさんには只々感謝しかありません。
エクスマ比布塾91期生の妻(ニックネームはタイガー)と毎月「研修会のため休業します」のお知らせを貼り出して、セミナーに参加させて貰いました。
12月15日、ぴっぷ町エクスマセミナー最終回のゲスト講師は奥ノ谷圭祐さん(ニックネームは短パン社長)。FacebookやTwitterで超人気者なだけに、限定からオープンのセミナーに普段は15〜20名程の参加者が全道から130名といつもとは全く違う雰囲気になった。
【時の激流にのまれること無く 個性を活かして輝く人生を生きるためにSNSで発信し続けよう!人は皆 仕合わせになるために生まれて来たのだから】
私が12回のぴっぷセミナーを受講して学んだことです。
最終回のセミナーに集まった人たちのSNS投稿を読んでいて「町民の方々にもっと参加してほしかった」と素直にそう思った。同時に、私を受け入れてくれた比布町のみんな達にありがとうです。比布町エクスマ化プロジェクトはこれからが本番です。
私もみんなと一緒に比布町を盛り上げ行くよ!
町も町の人たちも、比布がまるごと大好きだから!!
by 中野由唱 よしどん
めっきり寒くなりました。
旭川にも初雪が降りそうな気配です。
人類が今まで生き残って来れたのは、刃物があったから
紙の裁断、木を切る、壁の穴あけ、玉ねぎやトウモロコシの収穫、肉のミンチ、ペットボトル再生の為の粉砕、包丁やナイフ・ハサミなどなど、、、様々な場面で今や私たちの生活に欠かせない存在の刃物。
でもちょっと考えてみてください。
切れない刃物を無理して我慢して使っているってことありませんか?
日本の刃物の原点は日本刀です。
戦国時代、刀が切れないのは命とり。
一振りで相手を仕留めなければ自分が切られる、だから刀は常に切れる状態にしておく必要があった。
合戦に同行した研師が命を狙われたのは、そんな理由からです。
日本には世界から見ても類の無い、刃物と研ぎの文化があるのです。
刃物は使えば切れなくなるもの、研ぎなが使うのが刃物です。
刃物は切れるから刃物で、切れないのは刃物ではありません。
単純ですが、そのことを思い出してほしい。
「刀とは抜かずに使うものなり。刀とは抜くと力となる、しかし抜かぬこと。抜かずに収めることが刀本来の役割である。」
本阿弥流日本刀研師の師匠から「由唱」の名を授かった時、日本の研ぎの文化の由来を唱えることが私の天命と悟りました。
切れ味の良い刃物は人間の生活を豊かにするもの。
研ぎながら使い続ける日本の文化を大切にします、そしてそのことを伝えて行きます。
by 中野 由唱 よしどん