こんにちは
中野特殊刃物工業の代表で研師の中野由唱です。
中野刃物は今年で創業62年になります。私自身は入社して42年、平成元年に二代目社長となりました。
刃物の仕事をしていると、誰もが切れない刃物を無理して我慢して使っていることに驚きます。
刃物は切れるから刃物なんです。
そんなことを「周りの人たちにもっとうまく伝えたいっ」と思って、私は2016年
【安売りするな、価値を売れ】
というエクスマ実践塾に参加しました。
そして、その年の12月にスタートした比布町エクスマ化プロジェクト2ケ年計画。
2歳から旭川に住んでいて、父が時々遊びに連れて行ってくれた比布町。
ぴっぷスキー場や塩狩峠スキー場
いちご狩りやタケノコ狩り
ひまわり畑の迷路
最近では突硝山のカタクリの花。。。
そんな比布町を私も私の出来ることで応援して行くことにしました。
5月12日の母の日にピピカフェ比布駅にて、妻の妙敦とふたりで包丁研ぎ実演会を開催しました。実演会終了後、比布駅前の桜が満開なのをみつけて、記念にパチリ!
比布町では18回目の包丁研ぎ実演会でした。すると、なんと音信が途絶えていた高校時代の同級生と20年ぶりに再会できたんです。しかもその手には包丁が一本、嬉しかったぁ!
私が比布町で包丁研ぎ実演会をやっているのは知ってたけど、仕事と重なってなかなか来られなかったそうです。
実は「奥さんを数年前に亡くしてからは家に籠りがちらしいよ」と人づてに彼のことを聞き、ずっと気になっていました。
いつかこの包丁研ぎ実演会に彼に来て欲しい、私はそう強く願っていたんです。
彼の顔を見た瞬間、私は何故か言葉にならなくて「やったー」と心で叫んでいました。
彼は一時間程、私の包丁を研ぐ姿を見ていました。集中している私の横で妻の妙敦と定年後のこと、今の仕事のこと、比布町のこと、ボヘミアンラプソディーのこと、これまでのことを色々話してました。
彼の包丁が研ぎ上がり、別れ際に「会えて良かったよ、俺もっ」たったその言葉にすべてが込められていたように思います。
18回続けてきたからこそ、彼との再会が叶った。
比布町で包丁研ぎ実演会をやってよかったー。ほんとによかった!
どんなことも
続けることは、いつか価値になる
私はこれからも比布町を応援して行きます。
気負わずに私の出来ることで、のんびりと。。。
by 中野 由唱 よしどん
5月12日は母の日、比布町で包丁研ぎ実演会。
ピピカフェ比布駅での開催は7ヵ月ぶりです。
実演会に備えて
身体の疲れを癒し、心の豊かさを取り戻したくて「遊湯ぴっぷ」に行って来ました。
本当に身体に優しいお湯なんです。この1年で50回程行きました。
光明石温泉
成分は
塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硅酸
天然鉱石のなかで最もイオン化作用の強い薬石光明石から出来たもの。
効能は
神経痛、リウマチ、肩こり、冷え症、腰痛、痔、疲労回復
でも、とにかく身体に優しいお湯なんです。
冷え症で副鼻腔炎の妻の妙敦もお気に入りなんです。
命削ってブログ書けと、言われたことがありますが、このブログで命は削ってません。
私の場合は、命削って包丁研いでます。
実は 実演会が終わって、うちに戻るといつも精魂尽き果てています。
包丁研ぎで削られた命を、優しくいたわってくれる遊湯ぴっぷのお湯は 文字通り私の命の源泉。
比布町内での包丁研ぎ実演会は18回目になりますが、中野刃物の単独開催は比布町だけ。
これからもよろしくお付き合い願いたいところです。
閉店時間と同時に出てくると、月がきれいに瞬いていました。
5月11日午後10時 気温1度の比布町です。
明日はもう少しあったかくなるといいなぁ!
by 中野 由唱 よしどん
こんにちは、中野刃物の代表 中野由唱です。比布町での包丁研ぎ実演会も18回目になります。
久しぶりのピピカフェ開催。
母の日の開催。
なので。。。
私はいつもより気合いが入ってます。
比布のみなさん、周辺地域のみなさん、これからも包丁研ぎを続けて行きます。
どうぞよろしくお願いします。
日付 令和元年 5月12日 日曜日
場所 ピピカフェ比布駅
時間 午前10時開始
午後4時終了
研ぎ代 1本 1,000円より
包丁の傷み加減で変わります。
所要時間は30分です。
旭川市東鷹栖4線10号1-13
中野特殊刃物工業株式会社
0166-57-1141
こんにちは、
中野特殊刃物工業 代表で研師の中野由唱です。
今日は「仕上げ刃物」について、あまり知られていないことをお話しします。これは木工機械の「仕上げ鉋刃」です。昔から大工さんが使っている手鉋(てがんな)を思い出してみて下さい。
長い角材の上を、滑らすように両手で引っ張って使っていたあれです。機械刃物で言えば、これがあれです。
滑らすように というところがポイント。
現在使われている機械刃物は、その殆どが刃物自身が回転して材料を切ったり 掘ったり 削ったり して使います。
しかし
仕上げ鉋刃だけは刃物を動かさずに固定し、材料を滑るように動かして表面を削って仕上げて行きます。
仕上がった材料の表面はツルッツル。
そして、このツルツル感は回転刃物では出せないものなのです。
技術が進み刃物の素材もより硬いものが求められ、超硬や超合金などが主流になる時代。
超硬や超合金の刃物では、刃物を動かさずに材料を滑らせて削ることは出来ません。より硬くした為に、素材にいわゆる粘りや柔軟性が無くなったことが原因です。
金属を硬くしていくと、対摩耗には強くなります。しかしその反面 衝撃に弱く、欠けやすく熱にももろくなってしまうのです。
文明は必ずしも進化している訳ではない
大工さんが使っていた、あの手鉋ほど表面をツルッツルに仕上げられる刃物は今の時代でも他にないのです。
そして、その手仕事の仕上がりの美しさは刃研ぎにも通じています。
機械で研いだ鋼(ハガネ)刃物を更に手研ぎで仕上げる。
すると、、、
切れ味が滑らかで材料がツルツルに欠けにくくなる。
切れ持ちが長くなり刃物の寿命が延びる。
機械研ぎと手研ぎの融合は、40年で辿り着いた「中野特殊刃物工業のオリジナル」なのです。
by 中野 由唱 よしどん