こんにちわ
中野特殊刃物工業 代表で 研師 の 中野由唱 です。
私が家業を継ぎ、刃物の世界に飛び込んでから42年になります。
社会人1年生から刃物を勉強出来たことは、
私にとって何よりの財産です。
それは生産現場のお客さんから相談を受けた際、視点が人間より刃物に徹することが出来るから。
つまり「刃物を使う人はどうなのか」を「刃物的にどうなのかなぁ」と置き換えられる、ということ。
そしてそこが強みになる。
家具メーカーや住宅メーカー、製材工場や製紙工場などに機械刃物を提供しメンテナンス(刃物の修理、研ぎ直し)をするのが主な仕事。
さらに
刃物の仕事は需要範囲が広いのです。
そして最近ではこんな仕事も加わりました。
これらの仕事に刃物が活かされているのです。
私は時々この生産現場に提案して、刃物仕様の変更をお願いすることがあります。
材料のひき肌がきれいになり、歩留りが向上し生産工程を短縮することで働く人の向上心をアシストすることにもなります。
仕事が楽しくなると、仕事への意識が劇的に変化する。
目には見えないことですが、楽しくなる仕事をしてもらう。
これは大切なことです。
新型コロナウイルスの出現で来店客が激減して、振り返る時間が出来た私です。
今、何が大切かをしっかり見極めようと思います。
by 中野由唱 よしどん
こんにちは、
中野特殊刃物工業 代表で研師の中野由唱です。
今日は「仕上げ刃物」について、あまり知られていないことをお話しします。これは木工機械の「仕上げ鉋刃」です。昔から大工さんが使っている手鉋(てがんな)を思い出してみて下さい。
長い角材の上を、滑らすように両手で引っ張って使っていたあれです。機械刃物で言えば、これがあれです。
滑らすように というところがポイント。
現在使われている機械刃物は、その殆どが刃物自身が回転して材料を切ったり 掘ったり 削ったり して使います。
しかし
仕上げ鉋刃だけは刃物を動かさずに固定し、材料を滑るように動かして表面を削って仕上げて行きます。
仕上がった材料の表面はツルッツル。
そして、このツルツル感は回転刃物では出せないものなのです。
技術が進み刃物の素材もより硬いものが求められ、超硬や超合金などが主流になる時代。
超硬や超合金の刃物では、刃物を動かさずに材料を滑らせて削ることは出来ません。より硬くした為に、素材にいわゆる粘りや柔軟性が無くなったことが原因です。
金属を硬くしていくと、対摩耗には強くなります。しかしその反面 衝撃に弱く、欠けやすく熱にももろくなってしまうのです。
文明は必ずしも進化している訳ではない
大工さんが使っていた、あの手鉋ほど表面をツルッツルに仕上げられる刃物は今の時代でも他にないのです。
そして、その手仕事の仕上がりの美しさは刃研ぎにも通じています。
機械で研いだ鋼(ハガネ)刃物を更に手研ぎで仕上げる。
すると、、、
切れ味が滑らかで材料がツルツルに欠けにくくなる。
切れ持ちが長くなり刃物の寿命が延びる。
機械研ぎと手研ぎの融合は、40年で辿り着いた「中野特殊刃物工業のオリジナル」なのです。
by 中野 由唱 よしどん
よしどん節へようこそ
中野特殊刃物工業 代表の中野由唱です。
何度も書いていますが、2017年7月9日ミラサポに刃物の専門家として講師登録してから少しづつ機械刃物の相談や診断依頼が増えて来ました。相談の内容は様々です。
金物店でチップソー(丸のこ刃)の品揃えについて
木工クラフト工場で機械刃物の使い方と選び方について
農業機械の販売修理業で収穫機の専用刃物について
建築資材販売店でチップソーの在庫管理について
飲食店で包丁の切れ味が料理の味と仕事のレベルを左右する。
刃物は日常のあらゆる場面で活躍しているはず!
しかし、殆どの作業現場で活かされていないのが現実。
切れる刃物を使うだけで、現状を100%変えることができるのです。
ミラサポの専門家講師は何らかの資格を持った方が多いのですが、私は何もありません。だから、私からアドバイスできることは40年で得た生産現場の経験からだけ。
そのせいなのか、依頼主の方々はみなさん私の話を大きくうなずきながらよく聴いてくれます。
最初はそれでいい、と思ってました。でもその後 訪問したり電話で話したりしてみるとミラサポの成果が上がっていないことに気づくのです。
結局、診断やアドバイスを受けても依頼主自身が「変わろうとする心」で行動しなければ−何も変わらない–と言うこと
これからはミラサポの刃物専門家として、先ず変わろうとする心を持って貰えるよう意識して行こう。うん、そうしよう!
by 中野 由唱 よしどん
ひと月ぶりのブログです。読んでくれてありがとうございます。
9月6日はミラサポ講師として、派遣先を訪問することになっていました。
その日は何故か、午前3時に目が覚めていました。そして3時8分、北海道で震度7の地震が。それから20分後、今度は大停電が北海道全域を襲いました。
道路の信号機もすべて消え、いつ復旧するのか分からない不安だけが残りました。
止むを得ず、6日の訪問は延期することにしたのですが先方と電話もメールも使えず 連絡がつきません。ダメもとで延期する旨のメールを送信しました。
午後になって、私の携帯に先方からの電話が入り ようやく連絡が取れました。
協議の結果、翌日の訪問となりました。
今回の派遣先はオリンピックで有名になった冬のスポーツ カーリングの街 北海道北見市です。
北見市と言えば、北海道の市町村の中で一番広い面積で玉ねぎの生産量は日本一なんです。
その北見市で農業収穫機を独自に製作し、利用者から直接感想を聞きとりながら改良を加えている、そんな探求心旺盛な企業です。既に発売した機械で「もっと長持ちする刃にしてほしい」と声が上がり自社で考案中の刃物の形状について 刃物専門家 のアドバイスが欲しい、またオリジナル刃物の開発・導入についての支援も受けたい、という相談内容でした。
機械製作の現場で付属の刃物について、独自に開発を進めることはあまりないことです。
具体的に言うと
- 機械のもつ能力(機械性能)
- 使用目的(個人差があります)
- 使用条件(最良から最悪まで)
- 試行したデータ(要詳細)
- 現状結果
- どうしたいか(改善要件)
以上のことを一元化して改善することは容易ではありません。
もし刃物メーカーがこの開発に着手すれば、一年がかりで1000万円の仕事になります。
データを収集しながら2、3パターンの刃物を4、5回は造り直すことになるでしょう。
しかも全て単品製作です。
私の場合「そのお客様に一番合った機械刃物は何か」を考え続けた40年の経験を重ね合わせて、開発に係る時間と費用を最大限に抑えて、最初の試作で90%の完成度と90%の費用削減を目指します。
F1レースでタイヤ交換のタイミングと選別を誤ると、たとえ世界一速いエンジンを搭載していてもチェッカーフラッグは受けられません。
前にも述べたように、
機械性能、使用の目的と条件、現状の把握と変動する環境、を全て加味して設計します。
この作業は難しいというより、手間が掛かるのでやりたい人はいないと思います。
しかし、この手間が完成度を時には100%にもてくれるんです。
手間ひまを掛けることが敬遠される時代ですが、この手間を惜しまずにこれからも仕事を楽しんで行きたいと思うのです。
専用刃物は現在設計途中です。
最後まで読んでくれてありがとう。
by中野由唱 よしどん
こんにちわ、中野由唱です。
いきなりルーターマシンという木工製作に関わる方にしか分からない機械の名前からの書き出しを許して下さい。ルーターマシンとは切削用機械の名前です。切削性能が高く、汎用性も高い。使用者の捉え方で加工の可能性が拡がる機械です。
木材を加工する時にどの機械にどんな加工をして貰おうかな?
昇降盤でY加工をして次にルーターマシンでF加工をする。
そうすると木肌がツルンと綺麗になるだろうか? どうかな?
実は、木材の加工にたった一つの正解というのはないんですね。あえて言うならば、正解は何通りもあるんです。製作者の発想やアイディア次第で同じ機械でも使い方が幾通りもあるんです。当然、それにまつわる先端工具(刃物)も同様なんです。
私はこんな画一的でない仕事が好きで、ミラサポ専門家派遣の仕事もしています。
さて、そのミラサポで先日 北海道の山あいの小さな町を訪ねました。
以前一度だけ車で通ったことがありますが、夜だったので町の様子は分かりませんでした。
今回は午前11時から午後4時までがコンサルティングの時間です。昼間の町はのんびりとしていて時間がゆっくりと流れているようでした。
相談内容は、木工クラフトの製造過程で使用している機械刃物についてです。
「現在機械メーカーの純正品で作業をしているが思うように加工出来ない。今よりもっといい刃物はないか」という内容でした。
更にその作業の迅速かつ安全性を求める、難易度の高い相談です。
最初に使用する材料の種類とその特徴について尋ねます。
- 木のどの部位を使うか
- 加工の方向がタテかヨコか
- 硬いか柔らかいか
- 乾燥の度合い
- 加工の条件
以上の具体的な状況から私は答えを出します。
☆作業の速さを求めるならA
☆作業の安全性を求めるならB
では,AとBのどちらを優先させるのか?
それを相談者に選んで貰う。
それだけならば、2時間で終わる内容です。
私は次に相談者へこんな質問を投げかけました。
- 売れるものを作りたいのか
- 自分の好きなものを作りたいのか
- クラフトのもの作りが好きなのか
- 売れることに喜びを感じるのか
- 利益を追求したいのか
相談者の知りたいことに応えるだけがコンサルティングじゃない。
その人の夢や希望、日々感じていることを出来るだけ具体的に捉えて 選択肢の幅を広げることが重要だと思うのです。
のんびりと昼休みを過ごしていると、午前中に見せて貰った工場の機械設備とそこで作られた商品が次々に浮かんで来ます。
【現状の機械設備×現状の刃物+使える刃物】
この「使える刃物」を私が追加して掛け合わせることで仕事の質を上げ、その可能性を引き出す。
私はそんなコンサルティングを心掛けています。
今回の相談者は家具づくりにも携わった経験のある方だったので、それぞれの機械の能力と使用可能な刃物の有無についも話が出来たことは有意義でした。
木のぬくもりを感じて貰える商品を作りたい
自分の作った商品を手に取り、気に入って使って貰えるのが嬉しい
こんな風に答えてくれた相談者の笑顔が印象的でした。
やる気に満ちた表情の私 (^^)v
by中野由唱 よしどん
2018年 6月3日
北海道は新緑が芽吹き、清々しい空気に包まれています。
あなたは如何お過ごしですか?
ところで 【ミラサポ】と言う言葉を聞いたことがありますか?
ミラサポは、中小企業・小規模事業者の皆さんの未来をサポートする国の事業なんです。
ミラサポのサイトを利用して国や公的機関が行っている事業者支援の情報を得たり、経営の悩みを相談したり、専門家の支援を受けたりできます。
私は国家資格などはないのですが、これまでの刃物設計とその成果が認められてミラサポ専門家として登録されました。これまでの仕事を役立てる機会に恵まれてとても嬉しいです。
これはツバメノートさん製作の大学ノートです。専門家活動の相棒なんですよ(^^♪
私が専門家講師としてできることを書いてみました
- 食品加工、木材、金属、紙パルプ、農業収穫など 刃物は様々な場面で使われ役だったいる。
しかし、その切れ味については ほとんどの人が無理して 我慢して使っているのが実情だ。
「まっ、こんなもんだろう」と思っている。
もし、使用中の刃物に〝本来の切れ味〟を復活させることが出来たら、これまでとは全く違う世界が広がることだろう♠
○切り口がきれいになる
○切断や切削作業が楽しくなる
○あと工程が楽になる
○歩留まりが良くなり、材料の無駄が省ける
○製品が美しくなる
○食品ならば美味しくなる
○作業者のストレス解消にひと役
○刃物寿命が長くなる
○生産現場の人たちに、原価意識が生まれる
刃物はモノづくりの裏方
そして私は刃物を支える「刃物の専門家」。 つまり 裏方の裏方なのです。
私、中野由唱は40年の経験を「刃物の専門家」として活かすために【ミラサポ専門家講師】として登録しました。
今、使用中の刃物の点検を是非一度お勧めします。
きっと、あなたのモノづくりの世界が更に広がりますよ。
刃物は人類が創り出した最高の道具、人々の生活を豊かにする為に生まれたのです♠
by中野由唱 よしどん
こんにちわ
エクスマ実践塾79期の中野由唱です。
卒塾してから1年が過ぎました。
1978年4月1日に新卒で中野刃物に入社以来40年間、刃物一筋で生きて来ました。
その40年の想いを形にしたくて昨年10月にエクスマ実践塾の塾生となり
学び始めたわけです。
おかげさまで、今年7月に中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業の
派遣専門家に登録されました。
国家資格等は持っておりませんので、旭川信用金庫さんの推薦を受けて「刃物一筋40年」の実績を持って登録されたわけです。
【仕事を続けながら学ぶってちょっとかっこいいなぁ~】
そんな事を思いながら、更に刃物の専門家として活動中です。
私はよく刃物と機械の関係を車とタイヤの関係に置き換えて話します。
どんなにうまくチューンアップされたF1マシンでもタイヤの選択を間違えればゴールフラッグは受けられない。
- 刃物の仕様⇒加工工程が3工程から1工程になった
刃物の精度⇒仕上研磨の作業時間が3分の1になった
刃物の切れ味⇒製品の品質が2星から4星になった
刃物でそれまでの仕事がウソのように変わってしまう。
ほとんどの事業所で最新鋭の設備をせっかく導入しても、その先端工具は機械メーカーに任せっきり。
導入した機械の能力を半分しか活かせていないのが実情です。
これはもったいない!
刃物の専門知識があれば導入した機械の能力を充分に発揮できるのに残念です。
刃物のことは専門家にお任せ下さい。
- 刃物で品質が高くなる
刃物で作業が楽になる
刃物が利益を生み出す
つまり、刃物で圧倒的になれるんです!
これを、これからはミラサポの派遣専門家として伝えて行きます。
古来からの日本の伝統文化【日本刀研ぎ】の技術と共に
by中野由唱 よしどん
【取扱説明書】なんか、読まない!
あなたは 取説(取扱説明書を省略)を 詳しく読みますか?
ほとんどの人はサッと眺めて片付けているのではないでしょうか。
「ものづくり」に道具は必要不可欠なもの。
その道具は正しく使ってこそ、活かされます。
例えば
チップソーを研ぐために預かって詳しく見ると
アルミ切断用チップソーにも関わらず
刃先に木材のヤニが付着していました。
「どうして、、、?」と尋ねるとこんな答えが返ってきます。
「木材切断用チップソーだと思ってました」
私が「アルミ用で木材を切断すると焦げ付いて綺麗に仕上がりませんよ」
と伝えますと、、、、
「実は、切りづらくて抵抗を感じ、煙までも上がってしまたったんです」
との返答でした。
当然の結果です。
チップソーの大きさ(直径)、刃数(ピッチ数)、台金の厚み、
これらは同じ数字でも、用途によって材質やリード角度などで種類が分かれます。
あなたの工場でチップソーについて詳しい方がいない場合は
専門家に用途を伝えて用途にマッチしたチップソーを選んでもらいましょう。
もし専門家が近くにいなければ、そのチップソーの取説を詳しく読んで下さい。
取説はチップソーをつくるメーカーのためにあるのではありません。
取説はチップソーを使う人達のためにあるのです。
刃物は人々に活かされるために送り出されるもの。
その特性を十分に活かしましょう。
自分の仕事を豊かにするために。
by中野由唱 よしどん
(藤村正宏氏と札幌にて)
2017年7月10日 月曜日 くもり
私はこれまで “世のため” “人のため” に生きて来たか?
自問自答してみた。
機械刃物の世界で40年生きて来て、見えて来たことは
人が望むことをして来たかどうか、と言うことである。
私は昨年11月に藤村正宏氏の提唱する
エクスマ(エクスペリエンスマーケティング)の塾生となった。
7月13日、その藤村氏の著書 【 安売りするな!「価値」を売れ!】の改訂版が発売される。
発売前から重版が決まっている売れっ子の一冊だ。
私がエクスマで学んだこと
- ○人のために生きよ
○本当にしたいことを仕事にせよ
○SNSで発信して自らをさらけ出して共感してくれる大勢の人達と繋がれ
大まかに書くと上記三点になる。
改めて、人が望むことをして来たか・・・?
答えは No である。
望むことではなく、人が欲しがるものを
提供して来ただけ。
つまり、、、「安売り」して来ただけなのだ。
これからは
「もの」ではなく「こと」を 売る!
- ○現状での不満は何か?
○どのように変えたいのか?
○どのような結果を出したいのか?
人がしたいことを出来るように機械と刃物のアドバイスをしたい!
40年の知識と経験を出し惜しみなく、これらを全て使って答えを探します。
昨年11月にそう思ってから8ケ月が過ぎた。
ようやく私は その実現に向けて動き出した。
ミラサポ(中小企業庁委託事業として中小企業・小規模事業者の未来をサポートするサイト)の
専門家派遣の講師として登録が決まったのだ。(2017年7月9日)
刃物の専門家として、様々な現場に立ち合って色々な角度からアドバイスが可能になる。
私の次の1ページが始まります。
私が一番やりたかった仕事、世のため 人のために生きること。
【全ては現場から始まる】
by中野由唱 よしどん