ルーターマシンは木工製作を無限大にする
- 2018年07月29日
こんにちわ、中野由唱です。
いきなりルーターマシンという木工製作に関わる方にしか分からない機械の名前からの書き出しを許して下さい。ルーターマシンとは切削用機械の名前です。切削性能が高く、汎用性も高い。使用者の捉え方で加工の可能性が拡がる機械です。
木材を加工する時にどの機械にどんな加工をして貰おうかな?
昇降盤でY加工をして次にルーターマシンでF加工をする。
そうすると木肌がツルンと綺麗になるだろうか? どうかな?
実は、木材の加工にたった一つの正解というのはないんですね。あえて言うならば、正解は何通りもあるんです。製作者の発想やアイディア次第で同じ機械でも使い方が幾通りもあるんです。当然、それにまつわる先端工具(刃物)も同様なんです。
私はこんな画一的でない仕事が好きで、ミラサポ専門家派遣の仕事もしています。
さて、そのミラサポで先日 北海道の山あいの小さな町を訪ねました。
以前一度だけ車で通ったことがありますが、夜だったので町の様子は分かりませんでした。
今回は午前11時から午後4時までがコンサルティングの時間です。昼間の町はのんびりとしていて時間がゆっくりと流れているようでした。
相談内容は、木工クラフトの製造過程で使用している機械刃物についてです。
「現在機械メーカーの純正品で作業をしているが思うように加工出来ない。今よりもっといい刃物はないか」という内容でした。
更にその作業の迅速かつ安全性を求める、難易度の高い相談です。
最初に使用する材料の種類とその特徴について尋ねます。
- 木のどの部位を使うか
- 加工の方向がタテかヨコか
- 硬いか柔らかいか
- 乾燥の度合い
- 加工の条件
以上の具体的な状況から私は答えを出します。
☆作業の速さを求めるならA
☆作業の安全性を求めるならB
では,AとBのどちらを優先させるのか?
それを相談者に選んで貰う。
それだけならば、2時間で終わる内容です。
私は次に相談者へこんな質問を投げかけました。
- 売れるものを作りたいのか
- 自分の好きなものを作りたいのか
- クラフトのもの作りが好きなのか
- 売れることに喜びを感じるのか
- 利益を追求したいのか
相談者の知りたいことに応えるだけがコンサルティングじゃない。
その人の夢や希望、日々感じていることを出来るだけ具体的に捉えて 選択肢の幅を広げることが重要だと思うのです。
のんびりと昼休みを過ごしていると、午前中に見せて貰った工場の機械設備とそこで作られた商品が次々に浮かんで来ます。
【現状の機械設備×現状の刃物+使える刃物】
この「使える刃物」を私が追加して掛け合わせることで仕事の質を上げ、その可能性を引き出す。
私はそんなコンサルティングを心掛けています。
今回の相談者は家具づくりにも携わった経験のある方だったので、それぞれの機械の能力と使用可能な刃物の有無についも話が出来たことは有意義でした。
木のぬくもりを感じて貰える商品を作りたい
自分の作った商品を手に取り、気に入って使って貰えるのが嬉しい
こんな風に答えてくれた相談者の笑顔が印象的でした。
by中野由唱 よしどん